2011年3月14日月曜日

わくわくさんの大冒険(前編)

日本が地震で大変なことになっているのに、

自分はそれを見ていることしかできないし、ふがいない思いではありますが、

憂いていても始まらないので、ガーナ生活のブログは更新してみます。

不謹慎なら、ごめんなさい。



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先月は主に何をしていたかというと、

「アカチ郡初等理数科研修会」のお手伝いでした。


ガーナには3カ年の教員養成校があり、3年時は教育実習です(だよね?)

その教育実習生がいる小中学校を訪問し、実習生と現職の先生といっしょに

理科の授業に使えそうな教材を、実際にいっしょに作ってみましょう!

という研修会です。


ペットボトルなどの廃材を利用して工作をする研修なので、

私は心の中で「わくわくさんの大冒険 in アカチ」と呼ぶことにしていました。



仕掛け人は、同任地の教員養成校に配属の隊員。

私のブログにもちょくちょく登場する、いつも助けてくれる彼です。

巷では「王子」と呼ばれているようですが、今回は「わくわくさん」としましょう。



前編の今日は、どんな教材を紹介したかを書きます。

すべてわくわくさんの発案ですが、まるで私の手柄のように書きます。

ね、ズルいでしょ、大人って。

では、参りましょう。


【1 ストロー多面体】

ストローを使って、多面体モデルを作ります。

この教材のミソは、接着剤を一切使わないところ。

ストローとはさみがあれば作ることができます。

接合部は摩擦を利用して組み立てられていますね、たぶん。

ジャンクションやエッジの数も、変幻自在です。




【2 呼吸器モデル】

「横隔膜の伸縮によって肺が動きますねー」ということが一撃で理解できる教材。

ペットボトルの上部を上半身に見立て、

肺はビニル袋、気道はストロー、横隔膜は医療用手袋を利用したゴム膜で。

ペットボトルの口を密封するふたは、ビーチサンダルから作られています。

横隔膜をピヨ~ンと引っ張ると、肺がブファッ!っと膨らむので、かなり盛り上がります。




【3 ピンホールカメラ】

学研の付録についてきたような、昔なつかしいあれです。

筒はトイレットペーパーの芯を軸に、新聞紙や印刷用紙を撒きつけて。

ペーパーによって径が違うガーナ特有のばらつきを見事に生かし、外筒と中筒を用意します。



極めつけは、スクリーンをピュアウォーターをまとめ買いした時の外袋であしらうこと。

トレーシングペーパーがなくても、いけるんですねぇ。





【4 ぺリスコープ】

リフレクションを学ばせるのによいであろう教材。

自分も実際今使っています。子どものウケも上々といったところ。

ペットボトルと鏡さえあれば作れますね。

どちらも道で拾えばタダ同然で作れる教材。オレンジページもビックリです。




【5 ペットボトルロケット】

空気圧を利用したロケット。

ペットボトルを上手に組み合わせて、ウイングがついたカッコいいロケットです。

誰かにぶつかっても衝撃を吸収する仕様になっているのが、わくわくさんのやさしさです。


発射台は自転車の空気入れ。

コルクにボールペンの外筒を差し込むと、これがまたちょうど空気入れと噛みあうのです。

このロケット、日頃の行いがよい人は水しぶきとともにかなり飛びます。






【6 気体の生成】

中学生の時にやったであろう、酸素や水素の発生です。

酸素は乾電池から取り出した二酸化マンガンと、薬局で売っている過酸化水素水で。

水素は水酸化ナトリウムにアルミホイルを入れて。


試験管を立てて水上置換するセットも、ペットボトル製。



それぞれの気体の確認もやります。なつかしいでしょ?




【7 サイエンス・トイ】

これぞ、わくわくさんの真骨頂。

「はーい、みんなおもちゃで遊ぶよー」と目尻を下げるわくわくさんが目に浮かびます。


ヘリコプター



プロペラ車



ペットボトルやストロー、ゴム、クリップ、竹串、ブレスレットのビーズなど、

身の回りの物でおもちゃができる様は圧巻です。



以上が研修内容でありますが、わくわくさんの引き出しはまだまだ尽きません。

水レンズ顕微鏡、分光器、電磁石モーター、紙ノギス、蒸留や電気分解の実験…。

すごいですね、教材を買うお金がなくても知恵を絞ってやりくりする。

ジャパンが歩んできた道を地で行くわくわくさんです。


世界の理数科隊員や小学校隊員の皆さん、

わくわくさんに声をかけたい時は、ボディガード山本までメールを。


後編に続くっ!

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