2011年3月22日火曜日

子どもを通して授業を見る

シスターズがいろいろ知りたがり、いっしょにネットを見てます。

津波のことも原発のことも、沈痛な表情を浮かべて学んでます。

教育事務所のスタッフらも毎日心配してくれます。電話もくれます。

パパさんもママさんも、みんな。


みんなの "Sorry..." を何度聞いたことか。

自分のことのように痛がる、悲しむ。

それだけで、ずいぶんと救われるものだと感謝してます。


だから、自分も。

日本の口座からの募金とかやれることやったら、後は祈るばかり。

You'll never walk alone.




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学校を巡回していると、教育実習生がいることもあります。

実習は1年間。学校側は完全にマンパワーとして期待しており、

先生が不足しているアカチにおいて、大車輪の活躍をしています。

そして、どこへ行っても実習生は学ぼうとする意欲が高くていいなって思います。


さて、先日行った学校。

「よかったら自分の授業見に来て手伝ってよ」と言うと、よろこんで来てくれました。


でも、実際の様子はこんな感じ。

教室の後ろでノート点検を片手間に、ケータイでメールしたりもしてました。



かつての自分なら「5億年早いわ、ボケ」と怒り散らしていましたが、

あまりにもこういう状況に出くわし過ぎたためか、

最近は「そもそも自分がどういうことを期待しているか、知らせてないもんね」と

ちょっぴり寛容できるようになってきたかもしれません。


ジャマだと思わないから、いろんな角度から授業見ていいよと言います。

というわけで、まずはいっしょにいわゆる「机間指導」。


子どもたちの取り組みやノートをいっしょに見ます。

「この子は、どうしてこういう間違いをしていると思う?」と実習生にたずねると、

「あー、きっと繰り上がりが分かっていないわ」と答えます。


「じゃあ、そこを伸ばせばこの子はもっとよくなるね、そういう授業したいね」と

そんな授業を日本でしたことないくせに、まるで何十年もそうやってきたように、

超エラそうにハッタリをかまします。


でも、「あそこの子に、かしこくなるヒント与えてあげてよ」と言うと、

はりきってやってくれます。声かけも上手です。

フットワークも軽くなってきました。



授業のまとめで、理解度がどのくらいか確かめようとなると、

もう「アタシがやるわ!」状態。

そして、「ジュン、この子できるようになったわよ!」ですって。

子どもも実習生もうれしそうで、自分もうれしいです。



「子どもを通して授業を見る」

この言葉が適切なのかどうか分かりませんが、

最近はそんなことを言いたいのだと思います。


授業は、子どものためにすること。

だったら、子どもの様子を見ないでどうする。

少し考えたら当たり前のことなのですが、

日本で先生やっている時に気づけたら、少しはマシな先生になれたかもしれません。


上手な授業とは、先生が上手にしゃべる授業。

よい生徒とは、それにイエッサーとだけ相づちを打つ従順な生徒。


それに一石を投じるとまではいきませんが、せめてかつての罪滅ぼしに、

そして労働条件のよくない先生たちへ「それでも、教えることは楽しい」と言えるように、

何かできたらなと思います。




後日。

この前はありがとう、あれから教えるのが楽しい、

他に何かアクティビティがあったら教えてほしい。

そんな電話をもらって、ガーナに来てよかったとしみじみ思いました。


チャキチャキのなんちゃって文系教師、メッキはすでにはがれ落ちそうですが、

こういうつながりを増やしていけるといいな。

4 件のコメント:

Okubo さんのコメント...

じゅんさん、お久しぶりです。
NTCのともじです。
この記事に心が温かくなりました。
じゅんさんの上手い工夫で、
現地の人がどんどん変わっていく様子、
すごく、すごく素敵なことだと思います!
素直に変わっていく現地の人も素敵ですね。
こんな風な変化を作れたらなぁ・・・。
いい刺激をいただきました。

Kofi Jun さんのコメント...

ともじ!

いや、あのね、
これはいわば「クリティカルヒット」の部類で、実際はうまくいかないことの方が多いです。

この「うまくいかないこと」をちゃんと自分の中に落として経験にしていきたいとは思うのだけど、ただただ悲しくなったり怒れたりする日々です。
まだまだ修行が足りませぬ…。
失敗を書けるブログ、目指します。

でも、こういうエネルギーを持っている人はちゃんといるわけだから、そういう出会いを大事にしたいなと思うのでありました。

ともじは元気にしてる?

Okubo さんのコメント...

じゅんさんの返事をみて安心しました。
じゅんさんの域に達すると、
こういうこともサラサラできちゃうんだろうなぁ~と思って、自分の小ささを感じてましたから。。。
一つのいいことの後ろに、いろーんな協力や経験があること、そりゃあそうですよね!
でも、たとえ成功例のわずか一つだったとしても、
そうした例がこうして確実にあるだけでもすんばらしいことは変わりないです。
僕もそんな活動を目指していきます。

誰かに自分の経験を伝えるときに、スペースや時間が限られていると、
その失敗の過程とかうまくいったところしか見せられないことが多くて、伝えるのも難しいですね・・・。
ということで苦戦中のブログですが、リンクを貼ってくださるなら飛んで喜びます。
ありがとうございます!

Kofi Jun さんのコメント...

ともじ!

いやいや、こちらこそありがとう!
基本、テキトーなことしか書いてないから、軽く読み流してね。

ともじのブログ、さっそく貼らせてもらいます!
友人にもともじの文章、ぜひ読んでほしい!